すうがく の じゅもん

数学できたら 医学部近づく 頑張れ

すうがくのじゅもん

じくちよ
*「おお じけんせ!
ゆうしゃ いがくせの
ちをひくものよ!
そなたのくるのを
まっておったぞ。
*「その むかし
ゆうしゃいがくせが
カミから
いがくのたまをさずかり
いしこっかしけんを
ふうじこめたという。
*「しかし
いずこともなくあらわれた
あくまのけしん
にゅうがくしけんが
そのたまを
やみにとざしたのじゃ
*「このちに
ふたたびへいわをっ!
*「ゆうしゃ じけんせよ!
にゅうがくしけんをたおし
そのてから
いがくのたまを
とりもどしてくれ!
*「わしからの おくりものじゃ!
そなたのよこにある
でんわのこきを とるがよい!
*「そして
このじゅくにいる
こうしにきけば
たびのちしきを
おしえてくれよう。
*「では また あおう!
ゆうしゃ じけんせよ!

医学部受験生の皆さん、頑張ってますか。

さて、単発で役に立つ数学のヒントをお届けする新シリーズ。

「すうがくのじゅもん」 はーじまーるよー。

と、その前に、まずは何事も準備から。初回は、数学で伸び悩む医学部受験生をレベル分けして、僕がどういう生徒に向けてこのシリーズを始めるのかを確認しておこう。読むのが面倒ならさっさとじゅもん一覧へどうぞ。

1)そもそも勉強量が足りてなさすぎじゃね?
これはちょっと・・・ね。でも、めちゃくちゃでもやれば良いというものではないから、自分に手が出るレベルの問題から少しずつ広げて頑張って。この段階で背伸びをすると試合終了する。ええかっこせんと、死ぬ気で勉強せい。

2)標準レベルまでの解法は暗記したけど、模試や入試本番ではあまり問題が解けない。(典型問題そのままなら解ける)
僕が一番助けてあげたいと思う層はここ。標準レベルの解法が頭に入っているのに、標準プラスα程度の初見の問題が解けないということは、問題を解くときの考え方、アルゴリズム、ヒューリスティクス、そういう何らかの手順というものが自分にないから。数学の才能がそれほどない人間(僕もそう)が、一定以上のレベルの問題を解けるようになるには、ここを勘ではなく合理的に手順化してゆくことが絶対に必要になってくる。才能あふれる人たちはとんでもないスピードでいとも簡単に解いてしまうので、それは、もうご勝手に。アルゴリズムというのは、解を求めるための手順をパッケージにしたものと思ったら良いかな。でも、あらゆる数学の問題を解くアルゴリズムを作ろうと思ったら、とんでもないボリュームになるし、そもそもの問題の分類の時点で、たぶん破綻する。ベクトルの問題だけど、座標で計算したほうが早いとかそういう判断の要素が入ってくるので処理が難しい。だから、初見の問題を目の前にしたときにやるべきことは、その問題を解くためのアルゴリズムをその場で組むこと。そのためには、まず、典型的なアルゴリズムを知っておく必要がある。それが解法暗記。で、みんな、そこで勉強が終わってしまう。何故か。どの参考書、受験勉強指南書を見ても、その先は「演習して使い方を練習する」としか書いてないから。数学専門塾みたいなとこにいくと、浮世離れした陶芸家然とした先生が、「いかにして問題を解くか」みたいなことを一子相伝の体で教えてくれたりするが、大手予備校とかだと具体的解法の解説で手一杯で、そこまで一般化した内容は教えてくれない。いや、それはまあ、時間がないから仕方ないんだけども。じゃあ、いったいどないしたらええねん。その声に、お答えしよう。

解法暗記して典型的なアルゴリズムを覚えたら、後は初見の問題で「アルゴリズムの組み方」を練習する。

ひとことで言ってしまえば、これだけ。ホントにこれを意識するだけでも、日々の学習の視点は変わると思う。「標準問題の解法をインプットして入試問題を解いてアウトプット」という単純化した数学の勉強法は忘れて欲しい。アウトプットて何やねん! 覚えた解法の「使い方」を練習するんじゃない。覚えた解法を参考に、目の前の問題の解法(アルゴリズム)を「自分で組み立てる」練習をするんだ。つまり、ここから先は、人真似では進めない領域ということ。覚えたこと、誰かの考えたことを思い出すだけでは進めない。自分の意志で、前に進む勇気が要る。知恵も要る。特に、日本人は自らが先頭に立って歩くことに尻込みする傾向にある(こういう言い方は嫌いだけど実際そう)ので、なおさら難しい。でも、頑張って一歩前へ。

そんなわけで、必要になってくるのがヒューリスティクス的な視点。それが「すうがくのじゅもん」。

ヒューリスティクスて何やねん! という声がさっきからずっと聞こえているので、これも説明しよう。簡単に言うと、厳密な解は求まらなくとも、ざっくりとした判断を通して解に近いものを簡便に求めようというもの。真面目に全てを評価してるとキリがないと思ったら、「正しい保証はないけどこういうときはこうなることが多いよね」という判断を下して、ちょっとやってみる。そういうやり方を指している。これからちょこちょこ出していくが、例えば「少なくとも→余事象」みたいなこともこれに含む。「少なくとも」という文字を見たから「余事象」を取るということに、何の正しさも保証もないが、うまくいくことが多い。うまくいきそうということがわかれば、真面目にアルゴリズムを作れる。どこかでまた行き詰ったら、同じように何かヒントを探してヒューリスティックな判断を下す。それを繰り返せば、解にたどり着ける。

良いだろうか。インプットを終えたら、アウトプット! アウトプット! さあ、ご一緒に、アウトプット! と叫ぶのは良いが、問題演習を通して自分の中に判断基準を蓄積しないと、いくら問題を解き散らかしても意味がない。無意識にそれができるのが、天才。そうでないなら、言語化して判断基準を蓄積しよう。

ちなみに、もう一段階上で伸び悩む受験生もいる。
3)東大入試問題などのハイレベルな問題を全問完答したいが、半分くらいで終わってしまう。
まあ、このレベルになると、あまり教えることはなくて、自分で学ばないとどうしようもないことが多い。強いて言うなら、標準のアルゴリズム暗記、ヒューリスティックな視点の蓄積、これを縦横にしっかりつないでゆくこと。縦と横という意味がわからないなら、まだこの段階にはない。簡単に言うと、縦に割って分野ごとに整理することと、分野を度外視しして、概念、解法パターンなどの実質で横にグルーピングしてゆくこと、まあそういうことである。それと、問題を解くと言っても、条件を確認して問題が解けるかを判断するだけの勉強と計算量が膨大な数3の問題を解くような勉強は分けて効率化を進める。他には、抽象度の高い難問を時間無制限で解くという一般に非合理的と言われるような演習をすることで思考の体力づくりを行う。これは、2)の段階の人でも場合によっては有効である。それ以外は、あとは、もう、ご自由にという感じである。何度も言うが、このレベルの生徒に勉強法として教えるべきことはこれ以上ない。才能ある生徒が普通にこれだけのことをコツコツやってれば普通にとんでもない偏差値に到達する。合格実績に東大理科3類と書くことの無意味さ。いや、まあメンタル面でサポートとかいう要素もあるだろうから無意味は言い過ぎかもしれないけど、理3に十人単位で合格するような塾は別にして、小さな塾で突然ポツンと理3に合格するのは生徒に感謝やで。

さて、話がかなり脱線したので元に戻そう。

基本的に2)の生徒に向けて、これから「すうがくのじゅもん」を公開してゆく。

「結構勉強したのに、なんでできないの!」

という心の叫びを抱えた皆さんに、届けばいいな。